フィンランドMBA: 住宅着工件数(Housing Starts)のしくみ
経済の勉強をしていると、様々な指標を毎月チェックします。
その中のひとつとして、
住宅着工件数(Housing Starts)というのがあります。
ここ2−3年の米国景気が上昇している要因のひとつとして注目されている指標です。
住宅着工件数(Housing Starts)とは?
一ヶ月間に着工された新設住宅戸数のことです。
また、同時に米国商務省が発表する「建設許可件数」も
今後の住宅着工数を示す指標となるため、住宅着工件数とあわせて注目。
他には
;新築住宅販売件数、
:中古住宅販売件数
なども、注目される指数です。
●住宅着工件数がなんで経済に影響するの?
それは、住宅着工件数はぼくらの生活にすっごく深く
関係していてから、景気の大きな流れの変化をみきわめるのにわかりやすい指標だからです。
例えば、日本の場合、金利が0.25%(2006年12月)であるため
今後としてかんがえられるのは、
金利上昇→住宅着工の減少→景気の後退
あれ、これでは日本経済は成長するのが難しい(笑)
だから日銀がいつ、どのタイミングで金利をあげていいのかこまっているのです。
これが、
住宅着工の増加→景気の本格的拡大→金融引き締め→金利上昇
というキレイな流れを日本経済としては
考えているのだけど、日本は個人の消費がのびていないから
なかなか金利の引き上げのタイミングが日銀としても難しい。
というのも、2000年に日本経済の停滞を再度招いたのは
日銀による2000年のゼロ金利解除によるものだったからだ。
それによって、上向きかけていた日本経済が停滞してしまった。
そのため、今回も日銀としてはかなり慎重なのだ。
さて、住宅着工件数に話を戻すと、この住宅着工件数の増加/減少によって、金利は低下したり、
上昇したりする仕組み。
僕らの生活のなかで、家とかアパートを即金で買う人はあまりいないとおもいます。
そうすると、銀行などで住宅ローンを組んで購入したりします。そのときの金利はこの景気動向に
大きく影響されるからです。
なので「住宅着工件数」は、金利の状況に左右される傾向があるのです。
例えば米国で「住宅着工件数」の数字が上昇しつつあると、
新しい住宅がどしどし建設されているから‘米経済の景気がいい’と判断し、
金利があがり、経済がよりよくなってくる可能性がでてきます。
また、家やビルがたてば、それにともなって家具、家電なども必要になってくるから
モノがうれていく可能性がそこからもでてきます。
そういった意味で、経済指標として注目されているのでしょう。
でも、なんでもそうなんですけど
ケース・バイ・ケースで判断していくのが重要なんですけどね。