フィンランドMBA;外からみるナンバーポータビリティサービス
1兆7500億円で買収することを決定。それが昨年の3月の話。
そしてナンバーポータビリティサービス開始にはソフトバンクの”予想外割”を開始。
徹底的に”安さ”を強調。
その一方で日本の5割以上のトップシェアを持つ
NTTドコモの9500億円以上の莫大な経常利益(05年度決算)
フィンランドにいた視点からと、
プロジェクトを一緒にしていて感じた事をまとめておいた。
僕が個人的に思っている主な点は2つ。
:日本の携帯デザイン、機能、は世界一。
;ただ基本料金、通話料金、データ通信料金がやたらと高い。
:そうすると、もっと基本料金、通話料金を下げ、でもサービス品質をおとさない。
;消費者は料金が安くなるのでハッピー
:そうすっと、携帯をキャリアが購入しないで、サービスに専念。
;そして携帯製造メーカにとって国内での利益は落ちるから、海外進出せざるをえなくなる。
;海外進出にともなって、製造メーカのターゲットは”ハイorミドル層”
僕は、5年くらい前から”どーして日本のケータイはこんなに素晴らしいのに
世界で全然うっていないのだろう”とずーっと不思議だった。
でもフィンランドにきてだんだんなんで日本のケータイはあんまり海外でうっていないのか理由がみえてきた。
それは今回のナンバーポータビリティサービスにも少し関係している。
海外と比較をして、日本のサービスの評価をしている雑誌があるが、あんま意味がないとおもう。
その理由は以下2つ。
①グローバルにおける携帯マーケットの背景
まず日本の携帯電話の料金体系は、海外と全然違う。
つまりちょっと特殊な感じがグローバル基準からみるとそう見えている。
日本の場合;
携帯を各メーカーに開発させ、それを購入して、
自社の代理店等で販売している。そしてその端末を安く売ってその分通話料を高くして利益をだす。
だから、携帯を新規加入したときなど機種を問わなければ携帯端末の代金は
”無料”にすることができる。また通信業者の代理店には販売奨励金があって
それを利用して安く販売できる。
このビジネスモデルからすると要は、通話を長くさせるサービス、
データ通信量を増やすサービスが主に儲けがでてくる。
そうしてでてきたのが、iモード、着うた、写メーるなどの高機能を訴え、
その分高い通信料金を支払ってもらう仕組み。
さらに厳しいコスト削減と開発期間短縮をすることで
高品質な携帯を、シーズンごとに発表できた。
海外の場合;
携帯の購入とキャリアの選択は別。つまり通話料と携帯電話は別々に
価格と性能・サービス競争などで競争されています。
グローバル市場ではノキア、サムスン、モトローラなどは格安な携帯電話を多量に販売して、成長してきた。
②方式の違い;GSMとW-CDMAとcdma2000 1x
>GSM
GSMシステムの携帯電話サービスが世界中のほとんどの国で提供されているのに対し、
CDMAシステムはそれ程普及していない。
世界ではGSMといわれる通信方式(世界160ケ国以上)が
一般的。GSMの携帯は、SIMカード(シムカード)と呼ばれるICチップを挿入している。
SIMとは(Subscriber Identify Module)(加入者識別モジュール)のこと
GSMサービスに加入すると発行され、GSM方式の携帯にSIMカードを
セットしてサービスが使えるようになります。
ちなみにGSMシステムは日本及び韓国では運用されていない為、利用できないとのこと。
W-CDMAはドコモが世界で一番最初に日本でサービスを開始した第3世代携帯電話システム。
日本ではFOMAと呼ばれているサービス。
auが運用するcdma方式はNTTドコモやボーダフォンが運用するW-CDMA方式とは方式が違う。
主に北米・南米、オセアニア、アジア(インド、インドネシア、台湾、中国、日本、韓国)
で使用されている。auがこちらの方式を採用している。
つまり方式の違いもあって日本の携帯電話会社がどんな高度な携帯電話技術を
もって海外に進出しても市場シェアをなかなか奪えていない。
また携帯端末製造メーカもどんなに素晴らしい機能の良い製品を開発製造しても、世界でシェアを伸ばせていない。
それは上記にも記載したように方式の違いもあるし、販売方式自体も違うから。
●まとめ
つまり海外と比較をすることは無理。というのは
1:方式が違う
2:携帯サービスそのものが全然違う
(携帯端末製造会社と携帯電話サービスが一緒か別々だから)
ちなみにケータイ関連に勤める友人にきいたところ”ソフトバンクは3Gシリーズ(V7**/V8**/V9**)が、
GSMとW-CDMAの両対応らしい。但し、最近はGSM非対応の機種も多い。
GSM対応するとRF回路を1つ余計に積まなければならないので、
コストアップ要因にもなるし、コンパクト化にも影響。
欧州旅行の際にレンタルできる環境も整ってきているし、
日本国内のUIMカードを海外のGSM端末に差してそのまま使えるようにもなってきているから
特にGSMの機能はいらないらしい。
ドコモの場合、通常国内だけで、旧800MHZ帯(PDC/W-CDMA)、新800MHz(PDC/W-CDMA)帯、1.5GHz(PDC)、
2GHz帯(W-CDMA)の4つに対応している世界に例を見ない端末もあるらしい。
これにGSM入れたら、今のサイズじゃ作れないしコストも上がってMNPに勝てないから、
上記のような一部の人のために一部機種対応のみっぽい。
まだナンバーポータビリティサービスもはじまったばかり
これから、どうバリューチェーンがかわっていき、
携帯製造メーカがどう動いていくのかみものです。