辺境近境:沈まぬ太陽
まだ、航空業界は瀕死の状態からぬけだせないでいます。
さらに、今月には山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」の映画版が公開。
なんていうか、ある意味絶妙なタイミングです。。
ニュースが流れていた。
全日本空輸は1日、1500億円規模の公募増資を月内に行うと正式発表し、
市場からの資金調達を目指す方針を打ち出した。
一方、日本政策投資銀行などと総額約1000億円の融資契約を結んだ
日本航空の西松遥社長は同日、金子国土交通相から経営改善計画の実現を強く求められた。
(2009年7月1日21時06分 読売新聞)
JALは市場から資金調達が難しいと判断したのか
日本政策投資銀行から融資を受けることによって、
過去の融資返済や社債償還に割り当てる予定だが、
今後の経営への投資はおそらくできないと市場では判断されている模様です。
ちなみにJALは今期631億円という巨額の赤字をさしている。
また融資を受ける前に、
事前に3閣僚を集めて、融資のお願いを行っている模様。
http://www.itoyama.org/contents/jp/days/2009/0626.html
株主総会の前日に金子一義国土交通相、河村建夫官房長官、与謝野馨財務・金融・経済財政担当相らが会談し、JALに対する日本政策投資銀行の融資実行について話し合いが持たれた。
月内に1000億円規模の金融危機対応融資を実行し、日本政策投資銀行分の最大80%に政府が保証をつけるという、他産業の経営者が聞いたら羨ましくて仕方が無い内容だ。
逆に言えば株主総会の前日に3閣僚を集めて、JALの再建を支援するとアピールしなければならないほど空運とは日本にとって特別なものなのだ。
JALとANAの経営方針について
意気込みはまったく違うとおもう。
普通の企業だったら
政府が「特定の企業」にこれだけの融資をすることはない。
それだけ特別な業界なのは
わかるが、民間企業としてのマネジメント能力としては
結果があまり問われていないような気もする。
国際線は
-
- >>
- 海外エアラインとの差別化と協力(アライアンス)
-
- 燃油調達技術の向上(設備投資等)
-
- 収益のあるラインへの集中化
- <<
-
国内線は
- 不採算の地方路線の廃止
があげられるが、フラグ・シップとしてどこまで対応できるかは
マネジメント能力にかかっていると思います。
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内容は、JALがこれまで行ってきた経営について
実際にあった話を元にしたドキュメンタリーになっているみたいです。
今回のニュースをみて、
経営者の意識の違いをはっきりみた感じがした。
お客様を安全にお届けすることが
飛行機会社のサービスにおける最大の使命。
「飛行機おっこっちゃいました」
では済まされない産業だからこそ
経営方針、経営者の素質、度胸、判断力、将来にむけての方向性と実現化
がほかの産業よりも厳しいとおもう。
また、効率化、利益重視よりも
「安全にお客を目的地まで届ける」ことが第一なので、そこをどうマネジメントするのかが
いつの時代でもとわれていくのだろーなとおもう今日この頃。