辺境近境:日本が封印した原爆報告書
辺境近境:日本が封印した原爆報告書
今回の論点はひとつ。
日本は極秘に原爆被害の調査を国をあげてアメリカの為に調査し、
その内容は、原爆被害者救済のためでなく、アメリカの核戦略につかわれていたこと。
日本政府は、広島や長崎での原爆被害の情報を分析し、米国に提出。
米国はその情報を基に原爆投下における「死亡率曲線」を算出。
その「死亡率曲線」をつかいアメリカは「原爆をつかった空軍のシミュレーション」
を実施し、ソビエトにおいて広島型の原爆がいくつ必要なのかを把握。
つまり日本政府が米国に提出した原爆データは、
米国が原爆の殺傷能力を分析できた革命的なデータだったのです。
なぜ米国に要求されてもいない原爆報告者を
渡したのか?それは、日本における「戦後の心証」をよくするためとのこと。
ここでも「我が国の将来のため」「国民の為」
とうたって極秘に国が動いていたとすれば、いったい
国民の利益とはなんなのかどの時代においても疑問になる。
番組の中で気になったのコメントが一点ありました。
それは当時の分析チームの一員であった医師のコメント
「当時の社会的状況の中では、仕方がなかった。」と。
現在の少子高齢化、消費税増額、年金制度などの政治家の対応問題についても、
30年後とかに「当時の社会的状況の中では、仕方がなかった。」と
報道されては僕らにとってたまったもんではない。
政治家の「国民のため」という
曖昧な言葉に惑わされず、各個人がしっかりと独立して
生きていかないと、歴史は何度もくりかえすんだろーなーって
しみじみおもった今日この頃。
====今回みたドキュメンタリー===
封印された原爆報告書
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100806.html
アメリカ国立公文書館のGHQ機密資料の中に、181冊、1万ページに及ぶ原爆被害の調査報告書が眠っている。子供たちが学校のどこで、どの
ように亡くなったのか詳しく調べたもの。200人を超す被爆者を解剖し、放射線による影響を分析したもの…。いずれも原爆被害の実態を生々
しく伝える内容だ。報告書をまとめたのは、総勢1300人に上る日本の調査団。国を代表する医師や科学者らが参加した。調査は、終戦直後か
ら2年にわたって行われたが、その結果はすべて、原爆の“効果”を知りたがっていたアメリカへと渡されていたのだ。