フィンランドMBA:激しい電子認証業界のながれ


ぼくは前に電子認証というものに

かなり驚いたことがあった。


日本ではハンコが主流だけど、

これだけネットの世界が普及しているのに

ハンコに代わるものがネットの世界にはまだなかったから。


そんなわけで、ベリサインという会社に

お世話になったことがあった。


当時CEOであった川島明彦さんという社長にも

かなり強烈な印象をうけたのを

いまでも記憶の中に鮮明にのこっている。


最近、ちょっと電子認証業界のことを

友人と話ていたらいろいろ大きな動きがあったのでおどろいた。


一番驚いたのは、

GMOインターネットグループの日本ジオトラストが、

社名を「グローバルサイン株式会社」に変更していたこと。


というのも

日本ジオトラストは、今まではアメリカに拠点を持つ

GeoTrustの販売代理店としてビジネスを行っていたから。


その会社が「GlobalSign」ブランドとして

新たに電子認証サービスを展開していることをしった。



日本ジオトラストは価格の安い認証サービスを提供し、

ベリサインのもつ大きな市場シェアに対して、

中小企業などをメインターゲットとして急成長していた。


具体的には、当時はベリサインが80%−90%くらいののシェアを占める寡占市場を、

ぼくが働いていたときには、日本ジオトラストが20%−30%くらいの

国内シェアまで占めるくらいの急成長をみせていた。


これは僕がコンパック(株)でネットにおけるPC・サーバ販売のマーケティングの仕事を

しているときも、デル・コンピューターの急成長を目のあたりにしているので

すごく似ている構図だなっておもった。



日本ジオトラストという会社は2003年5月に

GeoTrustブランドの電子認証サービスをJapanでビジネスを開始という

比較的若い企業だし、ビジネスモデルなのだが、勢いが本当にある会社だと

おもっていた。



ところが。。

2006年5月、米VeriSignが米GeoTrustを買収合意。


つまり、競合会社をベリサインが吸収したことになる。

こういうダイナミックな動きが米国は本当によくありますよね。

自分の脅威となっている会社を吸収し、成長していこうという

縮図には驚く。


多分、経営者の説明としては、低価格なサービスも

充実させることで、ユーザへのサービス・ラインナップの

充実性をあげるということだろうけど、米ベリサインとしての真相はどうなんだろうか。



このニュースはフィンランドに留学中にしっていたけど

その後日本法人のビジネスはどうなるのか、具体的にはしらなかった。


こういう状況とかは

独占禁止法とかにふれないのかなーっとか

考える程度でした。


ところが、最近このことにきになって調べてところ

日本ベリサインが米GeoTrustが提供するサービスを販売する予定ということを

ネットのニュースでしる。


その中で、もともと米GeoTrustの販売代理店であった日本ジオトラストは

この状況の中を危惧していた模様。というのも実際、日本ジオトラストと米GeoTrustの間

調整していたサービス開発凍結などがおきたようだ。



そこで、日本ジオトラストは、

2006年10月、日本ジオトラストがGlobalSign NVを子会社化

この凍結状況から抜け出しをこころみた。


このGlobalSign Ltd.とは

米GeoTrustの欧州代理店であり、ベルギーの認証局だった。


海外の会社を子会社化することで

日本法人はグローバルサインに社名変更し、新たなビジネスを

提供しはじめていた。


これによって、日本ジオトラストの時には

「『認証局の販売代理店」というビジネスポジションだったのが、

認証局』となることで、米国にあわせたサービスだけを提供するのでなく

一貫した認証サービスの開発・製造・販売・サポートを行う体制が整ったことになる。



いや、本当に激しい攻防戦を

おこなっていたんだなっときがついた今日このごろ。

参考;
「GlobalSign」ブランドで電子認証事業、GMOが世界展開へ

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/05/30/15886.html

グローバルサイン株式会社
http://jp.globalsign.com/

ニュースリリース
http://pr.gmo.jp/article/20070530_3097.html